キャッチャーのリードと配球の違い「基本Vol.1」
キャッチャーのリードと配球についてのお話になります。
一般的に配球とリードは同じ様なイメージがあります。
しかし ・・・
☑ リード / 色々な要素を考慮した総合的な1人のピッチャーの組み立て
☑ 配球 / バッターへのデータに合わせた攻め
という違いがあります。
これから、リードと配球の違いをもっと具体的に説明しますね。
キャッチャーのリードと配球の違い
例えば「内角には弱いけど、外角に強い」右バッターがいるとします。
あなたは「右ピッチャー」だと仮定して想像してみて下さい。
あなたが右投手vs相手は右バッターになります。
もっと具体的な打者を仮定してイメージしてみます。
- 内角のストレート ⇒ 低目・高目ともに弱い・甘目なら打たれる可能性がある
- 内角の変化球 ⇒ 対応可能・空振りは取れないが当てることができる
- 外角のストレート ⇒ 高低差はあまり関係なく得意なコースだが、ストライクゾーンから下のボール球のアウトローでは打率が低い
- 外角の変化球 ⇒ 縦系の変化球には手を出してくる・外へ(横へ)流れていく変化球にはバットが止まる
というバッターがいるとします。
イメージすれば下記の様な感じです。
- 青〇が弱点
- 緑△は対応可能
- 赤✗が危険コース
得意コースの近くは、弱点になりやすいです。
その理由は、得意コースなので多少外れていても強引に打ちに来るからです。
今回のケースでは、アウトローのボールになる球ですね。
ただし、少しでもコントロールを間違えば危険なコースになる「表裏一体」のコースです。
では、このバッターへの配球を考えましょう!
配球の組み立てを考えてみましょう。
内角に弱いということは「勝負球で内角を突くストレート」を選択したいですよね!
配球の考え方として「逆算して考える」必要があります。
最後にこういった結果を求めるために、その前にどんなボールで組み立ていくのか?という考えですね。
今回は「強打者を三振を取る」という結果にこだわってみましょう。
- 初球 ⇒ ボールになるアウトローのストレートで打ち気を見てみる(ボール1 – 0ストライク)
- 次のボール ⇒ 打ち気がなかったので、簡単にインローへのストレートでストライクを取る(カウント1-1)
- 3球目 ⇒ ストレートに反応がなく、様子見&カウント稼ぎでインコースへの変化球でストライク(ボール1 – 2ストライク)
バッターを追い込みました!!!
ここで勝負に行くのか?一球釣り球を使うのか?
などの選択肢が出てきますね。
こういった考え方が「配球」になります。
キャッチャーのリードとは?
では、今度は「リード」についてです。
リードは配球よりもさらに ・・・
- ランナーの有無
- アウトカウント
- イニング数
- 点差
などを考えながらピッチング内容(攻め方)を考えていきます。
より、大きな違いは「ピッチャーをリード」する。という事です。
今まで説明してきた配球では、ピッチャーについてはふれていません。
リードするというのは、その一人の投手の事も考えて配球を組み立てる事になります。
- ストレートのスピードは?
- ボールは走っているのか?
- 変化球には何の球種があるのか?
- コントロールはどうなのか?
- 今日の全体の調子は?
- 今日はどの球種が良いのか?悪いのか?
などになります。
例えば、アウトローにフォークやスプリットなどの落ちるボールで攻めたくても、その球種を持っていないと使えませんよね。
ならば、その投手が持っている中での球種を選択して組み立てていく事がリードなんですね。
以上が配球とリードの違いになります。
☑ 配球はあくまでもデータ上の組み立て方
例:このバッターは外角の落ちる球が苦手
☑ リードは投手・打者・状況を含めての組み立て方
例:このバッターは外角の落ちる球が苦手だけど、その球種がないし空振りでなくゲッツーの引っかけさせるチャンジアップで攻めよう
という違いですね。
野球の配球の教科書
今すぐに具体的な野球の配球が知りたい!
その様な場合には ・・・
>>> 配球の教科書
☑ 野村克也に育てられた男達「キャッチャー対談」古田敦也×矢野燿大×嶋基宏